先日のブログでご紹介いたしましたが、7月より千駄ヶ谷のスタジオではいくつか新しいセッション(クラス)がスタートしました。…

先日のブログでご紹介いたしましたが、7月より千駄ヶ谷のスタジオではいくつか新しいセッション(クラス)がスタートしました。そのうちのひとつに『Sleep』というタイトルのものもあります。『Sleep』のセッションは、マインドフルネス・メディテーション(瞑想)を活用して、お家での睡眠をしっかり取れる生活リズムをつくることを目指したプログラムです。

 長年メディテーションの指導をしていますが、「寝つきが悪い」、「よく眠れない」、「夜中に頻繁に目が醒める」などのお悩みを聞くことが多くあったので、この際睡眠に向き合うクラスをつくってみよう!とプログラム化した次第です。

 そもそもメディテーション(瞑想)すれば、勝手に寝てしまうのですが。。。という方も少なくないかもしれませんが、今日はメディテーションと睡眠の関係について書いてみようかと思います。

 メディテーションの科学的な研究が進んでいるアメリカではすでにマインドフルネス・メディテーションの睡眠への良い効果がいろいろ報告されています。

 たとえば、メラトニン。メラトニンは体内時計と関わりの深いホルモンですが、メディテーションを全く行わない人より、定期的にメディテーションを行う人の方がメラトニンの基準値が一般的に高くなる傾向があるというデータがあります。要するにメディテーションを続けている人の方が、体内時計の調整が行いやすく、また眠りにつく前にメラトニンが多く分泌される為、眠りに入りやすい傾向があります。

 また、マインドフルネス・メディテーションには副交換神経を優位に働かせる効果も実証されています。副交感神経は体をリラックスさせて休息させていきます。当然睡眠にも入りやすい状態になっていきます。

 このようにマインドフルネス・メディテーションを恒常的に行うことで、ホルモンや自律神経のバランスが整えられ、睡眠の助けになることは科学的に実証されています。さらに、多分これがもっとも良い睡眠をとるのにもっとも有効なポイントかもしれませんが、マインドフルネス・メディテーションを行うことで、頭の中で展開されるさまざまな “おしゃべり” に必要以上に捕まらない力つくことです。

 なぜ寝つきが悪いのか?というと、忙しい一日過ごすなかで脳内スピードが上がっているから。 その日の出来事や、明日のこと、来週の重要な会議、、、いろいろなことが頭の中で次から次へと湧き上がるのが一つの理由です。

 もう一つの大きな理由は、その湧き上がってきた想い(思考)にいちいち捕らえられて、そこから考え事を展開してしまうからです。寝つきに限らず、夜中に夢をみたり、寝ているのか夢をみているのかよくわからない状況などもありますね。これは想い(思考)が展開し続けているからです。脳内劇場はどんどんストーリー(思考)を展開していきます。眠るどこではありませんね。

 マインドフルネス・メディテーションは、こうした脳内スピードのゆっくり落としていく効果と、さまざまな想い(思考)に必要以上に捕まらない力を養う最適なトレーニングなのです。

 プログラムを受けている生徒の皆さん、特にビジネスパーソン達はこの睡眠の効果を実感していただけているようで、寝る前にマインドフルネス・メディテーションをおこなっている方達も多いです。1日起こったさまざまな事柄に対する想いをいったん置くことができれば、ゆったりと睡眠に入っていくことができます。

 シャワーを浴びて体の汚れを落とすように、メディテーションを寝る前に行えば、その日についた心の汚れを落とすことができるという表現もあったりします。

 一方、瞑想するといつも眠くなってしまう。。。だから瞑想=睡眠と直結して考えられる場合もありますね。じつはこれは瞑想に対して誤解なのです。

 瞑想を始めたばかりのころに眠くなってしまうのは、睡眠が深まるというより、脳が一時的に強制終了されるといった方が表現としては近いかもしれません。瞑想をすれば当然身体が止まります(動かないので)、なのに頭の中はあれやこれやとフル回転。。このスピードの落差に身体が耐えられず、スイッチオフ!。気がつけば眠りにおちているといった仕組みです。

 メディテーションのトレーニングを続けていくと、だんだんこの脳内の忙しさを感じることに馴染んできますので、こういった強制終了は徐々に無くなっていきます。

 そもそもマインドフルネス・メディテーションはどちらかというと覚醒する(目が醒める)方向性のメディテーションです。しっかりと今を捉えてここにいる!という感覚は、文字通り“目覚めて”いなければできません。

 しかしなぜメディテーションが睡眠に効くのか?というのは、特定の想い・悩みに捕まり過ぎず、それらを優しく手放せる力を養うことで、想い(思考)に振り回されて寝つきが悪い状態や、寝ていても夢を見るほど何かが気になって目が醒めるなどといったことがなくなるからです。メディテーションをすると眠くなるからということではありません。

 以上つらつらと書きましたが、マインドフルネス・メディテーションが睡眠に効くのは科学的・医学的見地からも実証されており、さらに我々プラクティショナーの実践からくる実感も同様です。ただし、残念ながらこの想い(思考)に振り回されない力は、ある程度継続的に練習を積む必要があります。いつもこのブログで書いているようにマジックピル(魔法の薬)はありません。毎日15分ー20分坐る練習を続けていくと、徐々に寝つきが良くなります。指導経験上早く効果が出る方でひと月前後でしっかりした変化が見られるようになります。

 眠るために目覚める練習をするとはなんとも矛盾しているような表現ですが、きっと効果がありますので、眠れない人、ぜひ始めてみてください!

河津祐貴 
True Nature Meditation 
Founder / Program Director