最近は本当によく「瞑想」や「メディテーション」という言葉を見聞きするようになりました。私がメディテーションのプログラムは始めた6年前には…

最近は本当によく「瞑想」や「メディテーション」という言葉を見聞きするようになりました。

私がメディテーションのプログラムは始めた6年前には、まだ「マインドフルネス」が少し広がりも見せていましたが、「瞑想」などという単語は、なにか怪しい、、、というので大分敬遠されていたワードでしたので、大変大きく嬉しい変化です。

瞑想への興味・関心が高まりつつありのは大変喜ばしいことですが、「自分がどの瞑想をするべきか分からない」といった相談も受ける機会も多くなってきた感もあります。どこから手を付けるべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか?

 

そもそもどのタイプの瞑想をするのかという選択するのも大きな問題ですが、その前に瞑想を学ぶにあたっては学ぶ段階があること、そしてその段階に対応してのさまざまな瞑想法があるということを知っておくことも重要です。そこがわかれば自ずと学ぶべき瞑想が見えてきたりします。

 

いつもこのブログで書いているように、瞑想には多種多様な方法があり、それぞれに正しく決まった学び方・進め方あるため、必ず一つの方法だけしかないというものではなく、進み方はいろいろありますが、今日はご参考までに我々の伝統的な考え方をご紹介しようと思います。

 

我々の伝統的な考え方として、瞑想を学ぶ段階は、① 落ち着く→ ②散漫な思考をまとめる→ ③周囲に気がつく→ ④満ち足りる・感謝する→ ⑤優しさ・思いやりを感じる、といった順序で進むものとされています。

 

①落ち着く

瞑想を始めようと思っても、過度な不安や恐怖、緊張感に苛まれていては、落ち着いて座ることすらできません。仕事の失敗や家族との口喧嘩など、とにかくいてもたってもいられない。。。そんな時はまずリラックスしないとメディテーション・クッションに座ることすらできませんよね。または坐っていても体がムズムズ、貧乏ゆすりが始まるかもしれません。心を落ち着ける以前に体も落ち着かない状況があったりします。

このような時は、自分がリラックスできる情景を思い浮かべたり、音の振動に身を委ねたり、簡単なマントラを唱えたりすることが有効です。

さらに瞑想の一つの前の準備として、呼吸を整えたり、姿勢を整えるといったことだけでも効果があったりします。要するに強い不安や恐怖から意識を別の場所へ振り替えることで、過度な緊張や恐怖を緩めて、しっかり瞑想ができる準備を整えていきます。

 

 

②散漫な思考・感情をまとめる

リラックスしてやっとクッションに坐ってみると、体が落ち着ついていながらもマインド(心)は全く落ち着いてないことに気がつきます。家族関係、仕事の心配、趣味のこと、旅行のこと、犬の散歩などなど、取り止めなのない思考や感情が炭酸水の泡のように湧き続けます。

この段階においては、散漫な思考や感情をひとところに纒めることが必要になります。マインドフルネス瞑想であったり単純なサマタ瞑想が有効になのはこの段階からです。こうした瞑想法をとおして、体とマインドを協調(シンクロ)させる力をつけ、“今”に意識をしっかり置くことで、意識をがあるべき場所、ある種の心の基準点をつくっていきます。

 

③周囲に気がつく

散漫さが収まり、体と心がシンクロしていくと、当然身体がしっかりと機能しますので、五感もしっかり働き始めます。それにより自分が置かれている環境を十全に捉えることができるようになります。味や香り、肌の感覚や見えるもの、聞こえるものに対してより深さと奥行きが出ます。さらに自分の思考や感情の動きについても、五感で外界の事象を捉えるのと同じように感じ取ることができるようになります。自分の周囲の様々なことにもっと興味が持てるようになり、環境を楽しめるようになってきます。

こうした段階で有効なのはアウェアネス瞑想といったりヴィパッサナー瞑想と言ったりする瞑想方です。落ち着くことで知覚や心的な感覚がクリアに感じ取れるようになると、事象に気づくだけでは留まらず、気がついたものに巻き込まれ、振舞わされてしまう危険性も伴いますね。そうするとせっかく落ち着いたのに元の木阿弥になってしまいます。

この段階でさまざまな事柄に気がつくけど、過度に囚われない力を培います。

 

 

④満ち足りる・感謝する

散漫さがなくなり、周囲の状況や、自分自身の状況を素直に見ることができるようになると、自分の心に振り回されることが減り、漠然とした不安や恐怖、焦燥感が減っていきます。この段階で、塾考する瞑想や観想瞑想と言ったりしますが、物事の有り様を深く洞察するタイプの瞑想を行います。それによって、徐々に自分の在りように安心感を得られるようになり、自分自身や世界は十分満ち足りていることに気がつき始めます。文字通り「足るを知る」ようになります。さらにそこから周囲の状況や人々に対しての感謝の気持ちを感じ始めることができます。

 

 

⑤優しさ・思いやりに馴染む

心が満ち足りて、周囲に感謝できるようになれば、自然に自分自身が持っている思いやりや優しさを感じ取れれるようになっていきます。そして、その思いやりや優しさを他者へ向けることが少しずつできるようになっていきます。こうした思いやりや優しさをよく感じ取り、そしれその感覚に馴染み、さらに使いやすくする為にはLoving-Kindness瞑想(メッタ瞑想)やトンレン瞑想といった、コンパッション系の瞑想が大いに役立ちます。

 

以上が瞑想を学ぶと進んでいく段階と言われています。

 

ここで注意が必要なことは、一つの段階から次の段階に進んでも前の段階の瞑想の実践を疎かにしてはいけない点です。①の落ち着く部分は単にリラックスするだけなのでさほど重要ではありませんが、②以降のマインドフルネスなどの瞑想法は継続的な実践が不可欠です。

例えば、マインドフルネスの感覚がわかったから、もうマインドフルネスの練習を止めて、アウェアネスだけを練習しよう!という進め方は成立しません。

マインドフルネス・メディテーションを毎日行う土台ができたら、その上にウェアネスや塾考やコンパッションのメディテーションを積みあげる必要がありますので、段階が進むに連れて瞑想実践時間は相対的に増えていきます。

 

古典などでは、心のトレーニングを表現する際によく“耕す”という言葉が使われます。

瞑想は心を耕すものである以上、種を蒔いても翌日に突然花が咲き、実がなるわけではありません。それぞれの瞑想法は10年、20年、30年と取り組む必要があるものです。毎日の実践の継続によって少しづつ芽が出てゆっくりと成長をしていくものです。私の師であるデイビッドは、瞑想にマジック・ピル(魔法の薬)はありません!ということを繰り返し話します。まさにその通りで、突然素晴らしい体験ができるものではないのが瞑想です。

 

ゆっくりゆっくりですが確実に一歩づつ心が変容していくのがメディテーションのトレーニングであることを忘れないでください。実際変化がゆっくり過ぎて自分であまり変化に気づかない事も多々あります。自分よりむしろご家族や友人職場の仲間たちが先に変化にきづくことも珍しくありません。進みの遅さに不安や苛立ちを覚えることがありるかもしれませんが、どっしりゆったり進めましょう。これからの人生の相棒として瞑想を捉えれば、のんびり付き合えますよ!

 

河津祐貴
True Nature Meditation
Founder / Program Director