人生の輪とは、私たちの自己意識とこの世界の中での私たちの人生が、どのように形作るかを説明してくれている古代のプレゼンテーションです。…

人生の輪とは、私たちの自己意識とこの世界の中での私たちの人生が、どのように形作るかを説明してくれている古代のプレゼンテーションです。インドから伝わり、アジア各地の仏教寺院の入り口に飾られる定番の絵であり、日本でも六道絵として広まっていますので、目にされた方も少くなくいかと思います。

サンスクリット語では、Bhavacakraと呼ばれ、英語だとWheel of Life と呼びます。実は、このWheel of Lifeは、私の先生であるデイビッドが最も得意とする瞑想クラスのテーマです。数年前にAwakening from the daydreamというタイトルで、この人生の輪に関しての本も出しています。 (因みにアメリカではベストセラーになりました)

 

         

 

*伝統的なBhavacakra(左) David versionのWheel of life (左)

瞑想とこのオドロオドロしい絵が関係どう関係してるかと疑問に思うかもしれませんが、瞑想的な観点からこの絵を見ると、我々の思考や感情の展開図として活用できます。私たちの精神的な活動は、ほぼこの絵の中の6つのカテゴリーに収めてしまうことができるのです。

6つのカテゴリーは、天道、阿修羅道、人間道、畜生道、餓鬼道、地獄道に分かれます。例えば、地獄道だったら怒りや攻撃性に駆られた精神状態、畜生道だったら嫌なことに蓋をする無知・無関心に支配されている心といったように、心の状態は6つの道(領域)にカテゴライズすることができます。そして、それぞれの領域には特定の精神的傾向があります。

いつもこのブログで書いているように、残念ながら、私たちは毎日の状況を明確に見えていません。私たちの思考、感覚、衝動などは、特製の偏光メガネをかけているように、自分のバイアスをかけて物事を理解しています。

そうした視点から見れば、私たちは常に「白昼夢」の世界を作り出しているようなもので、夢を見ているときにその夢が現実であるかのように思うのと同じように、白昼夢を現実であると誤認して、それに応じて様々な過剰な反応をしています。自身の心的な習慣が私たちの人生の経験を歪めていることに気がつくことは非常に難しいのです。

しかし、 瞑想を通して心と素直に向き合う力がつけば、その特殊眼鏡は私たち自身が作ったものであり、それを外すことができることに気がつくことができます。白昼夢の世界から目覚めることができるのです。そうなると逆に、この6つの領域を私たちの日常的な現実の状況を説明するための創造的な方法として活用できるようになります。各領域は、私たちが現実だと誤解している世界へと投影している私たちの内的な雰囲気、態度、そして習慣的なパターンだからです。

瞑想と熟考は、私たちが投影している白昼夢のような領域をはっきりと見る手助け、その白昼夢から目を覚ます手助けとなる強力なツールなのです。瞑想には様々な種類があり、一般的に瞑想は私たちの直感的な意識に慣れ親しむ助けとなり、熟考は私たちが明晰さと洞察力を発展させるために自分の思考に向き合う助けとなります。

定期的に瞑想を続けることで、瞑想中や日常生活の中で白昼夢から目覚め、思考や先入観のフィルターから解放されて、まさに文字通り『目を覚まして』今にいるという、はっきりした瞬間を経験できるようになっていきます。

この方法で今この瞬間を経験することをマインドフルネスと言います。マインドフルネスは、単純に集中するだけだったり、リラックスだけする瞑想ではないのです。

このようにマインドフルネス瞑想をしっかり続けることができれば、自分の精神状態が明確になり、そしてそれに気がつくことができば、その心的状態から離れることもできるのです。人生の輪はそうしたことに気がつかせてくれるとても大切な古代のKeynoteなのです。

河津祐貴
True Nature Meditation
Founder / Program Director