春めいてきましたね。
 私のブログのタイトルは「まいにち」メディテーションにもかかわらず、ブログの更新は季節の変化のタイミングになりつつありますが。…

 春めいてきましたね。
 私のブログのタイトルは「まいにち」メディテーションにもかかわらず、ブログの更新は季節の変化のタイミングになりつつありますが。。。季節の移り変わりに合わせず、もう少しちゃんと書かなければと反省中です。

さて、今回は心の『スピード』について書いてみようと思います。

 スピードという言葉を聞くと、とかく速い方が良いものと思われがちですね。
移動手段、通信手段、仕事、家事 などなど、スピードが速く、効率的であれば、人生勝ち組!他の人より一歩先んじえる速さが有れば、もっと幸せに、豊かになるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?

 少なくともともメディテーション(瞑想)の視点から見ると、スピードが速いことはあまり良いことでもありません。特に心のスピードが速いのはあまり歓迎すべきことではないのです。

 心のスピードが速いとは、物事に対しての反応が極めて鋭敏で、一拍置く余裕のない心の状態を表します。頭の中が忙しく、次から次へと思い付く考えに瞬時に飛びつき、また他の思いが起こるとすかさずそちらに飛び移る。。。こんな状態です。
でも、もしそうなら頭の回転が早くて良さそうに思えますよね?
なぜ速いことがダメなのでしょうか?

 
 ここで、皆さんもちょっと体験してましょう!
 

 これから、60秒間何もしないで、ただじっとしてみてください。静かな場所でなくても大丈夫です。カフェでも仕事場でも、電車の中でも構いません。このブログを読むのも辞めて、PCなり携帯なりの画面からも一旦視線を外して、ただ1分じっとしてみましょう!

 はい!スタート!!(60秒じっとして見ましょう!)

 たった1分ですが、じっとしていられましたか?
 
 体が動いたり、または、体はじっと止まっていても、心配事や、今気にしていることが心の中で繰り返し出てきて、心は落ち着いてないかもしれません。これが普段の私たちなのです。

 メディテーションをはじめて経験する方に向けたクラスを指導していると、多くの方は静かに座っていることができないことが良くわかります。例え数分間の短い瞑想であれ、体が動いたり、目が動いたり、眠ってしまったりと、「表現」は様々ですが、総じて静止ができません。静かに動かずじっと座っていることができる方は極めて稀です。
 
 私たちは通常、1つの場所にずっといることを望みません。すぐに飽きてしまうし、焦ってしまう。シンプルにただじっと座っていることができないのです。

 このことをしっかり知ることは、私たちがなぜメディテーションをはじめていく上でとても重要です。誰もがメディテーションが必要な理由の一つがここにあります。自分の心と向き合う為には、まずこのRestlessness(落ち着きのない)な心に取り組む必要があり、これこそがメディテーションの第一歩と言えます。

 なぜ落ち着いていないのかというと、落ち着いて何もしていない心の状態が怖いからです。
心がスローダウンして、頭のお喋りがなくなると、突然パニックになります。漠然とした不安に包まれたり、心配事が浮かんできたりします。

 たとえば、緊張していると、話すスピードがどんどん速くなってしまいことがありますね。
これは失敗の不安、自分がよく見られなかったらどうしようという不安がある時です。
 または、初対面の人や苦手な人と話していて会話が止まってしまうと、慌てて次の話題を探したり、(引き攣った)愛想笑いをしたりしてしまったりすることも、ちょっとした間(ま)が怖いからです。

 心のスピード上げていく、すなわち頭のお喋りや考え事を次から次へと生み出すことで、こうした不安や恐怖を見えないようにすることができます。私たちは常に不安や恐怖から逃げ出したいのです。
 
 見えなくなるのはいいことでは?と思うかもしれませんが、問題はこの恐れや不安が消えたわけではなく、心のスピードを上げて視界に入れないように、避けているだけであるという点です。不安や恐れはしっかりと私たちの心に残っているのです。その見えない不安や恐れが、漠然としたイライラや、身体の動きや言動に顕れます。

 迂闊にも身体の動きが止めたり心が落ち着くと、この不安や恐怖が出てきますから、私たちは心のスピードを落とすわけにはいきません。アクセル全開。またスピードを上げて、心が視野狭窄な状態を保とうとします。これで安心!というわけです。

 家事を没頭しすぎたり、仕事に没頭しすぎたり、余暇を過ごすにもテレビや動画を見続けたり、音楽を聴き続けたり、スポーツに没頭しすぎたりして、私たちは、とにかく心と体が何もしない状況を作らないようにしています。便利な現代社会は、黙っていてもさまざまな暇つぶしを提供してくれます。ネットやテレビなど心は次から次へと新しいトピックスに気を取られて行きます。まるで心のスピードをどんどん上げてくださいと言っているように。。。

 さらに、心のスピードの問題は、落ち着きのなさだけではありません。
 心のスピードが早くて、心に余裕または間を取らないというのは、不安や恐れから自分を守る作用とも言えます。この「自分を守る」というところが過剰に反応する場合、特に人間関係などには問題が生じます。心が自分を防衛する基本的戦略に向きすぎると、他者に対して常に喧嘩腰だったり、やたらプライド高く知ったかぶりをしたり、その人に感心しがないようなふりをします。こうした態度に共通するのは、自分を守り過ぎて、他者を受け入れることができない心です。心のスピードが高いということは、このように心の攻撃性が高い状態でもあるのです。そして、心のスピードと心の攻撃性は比例していきます。スピードや反応速度の増加は、自分へも他者へも攻撃的な意識を向ける力がどんどん大きくなってしまうのです。心のスピードがMaxになった時には、思いやりや優しさなどは微塵も残っていません。。。

 これでは全く希望がないではないか!と絶望されるかもしれませんが、このサイクルから抜ける方法があります。それがメディテーション(瞑想)なのです!

 メディテーションによって心を休ませる場所と技法を身につけ得れば、徐々にではありますが、しかし確実に心のスピードは下がっていきます。そうすればスピードの減退に伴い、心の攻撃性も減っていきます。攻撃性の欠如は、こころが寛やかにして、あらゆる物を排除するのではなく、向き合える心の余裕が生まれます。

 特にこうした忙しい心をまず鎮めるのは、 マインドフルネス・メディテーションが最適です。マインドフルネスは元々こうした心の余裕を作るために生まれた技法です。集中力を高めたり、自分の幻想的な『軸』を作ったりするためのものではありません。

 ゆったりと座って、呼吸と共にいる。基本線はこれだけでいいのです。そうすることで心の回転にギャップを差し込み、回転を止めてしまいます。

 イライラや落ち着きのなさ、そして漠然とした不安感は、メディテーションを進める上での最初の友達なのです。ゆっくりと友好関係を作って見ましょう!

河津祐貴
True Nature Meditation
Founder / Program Director