メディテーション(瞑想)の練習がある程度進むと、「はて?いま自分がどれほど進んでるのか?」と知りたいと思うことも出てきますね。…

メディテーション(瞑想)の練習がある程度進むと、「はて?いま自分がどれほど進んでるのか?」と知りたいと思うことも出てきますね。

 では、何を持って、自分の練習が上達しているか計れるでしょうか?

瞑想が長時間できる。

実践している瞑想の哲学、心理学の体系を理解している。

毎日続けられる。

人に教えられる。

etc……

 皆さんそれぞれイメージがあるかと思います。

 私が実践をしているメディテーションの体系では、その人の練習の成果をみる一つの基準があります。それは「思いやり」です。練習が進めば進むほど、周りの人達そして自分にも柔らかく接する力が増していくと言われています。

 では、まず、ここでちょっと「思いやり」について考えてみましょう。

 そもそも優しいとか、思いやりがあるとか言いますが、そのとき私たちはどういう心理状態でしょうか?

 説明しようと思うと結構難しいですよね。

 思いやりが稼働しているメカニズムを考えてみるためには、思いやりが「ない」状態を考えるのがわかりやすいと思います。

 どんな時、私たちは思いやりがないでしょう?

忙しいとき。

嫌いな人といるとき。

   プライドを守ろうとしているとき。

   恥ずかしいとき。

   心配ごとで頭がいっぱいの時。

   疲れているとき。

   etc..

いろいろと思い浮かびますね。

 総じて、思いやりの気持ちが働かない時は、「自分の事しか考えられない」時です。メディテーション的にいえば、エゴ(自我)が稼働している時です。

 エゴは自分の領域を確固なもの、「私」や「私の何か」をはっきりと保持したがる習性があります。何事においても、その領域(すなわち私)を守ることを最優先にします。エゴが自己防衛機制と呼ばれる所以です。この防衛機制が稼働しているとき、私たちの心は『自分のこと』ばかりです。周りの人に構っている余裕はありません。私とその他の人との境界線をしっかり引いて、自分の領域に閉じこもり、その安全を計ります。心が極めて閉鎖的になっている、「閉じて」いる状態と言えます。

 また、このようなエゴ(私)が強固に稼働して自分の心が閉ざされていると、物を見たり、聞いたり、考えることにも支障をきたします。「私」の意見、「私」の考えが強く影響を及ぼして、見るもの、聞くもの全てが自分の主観でしか捉えられません。偏見を常に抱いていると状態といってもいいでしょう。

 すなわち、思いやりがない時は、私たちは物事をありのままに捉えることができません。

 一方、思いやりが使える時、私たちはその対象に対してちゃんと意識が向いています。「自分の領域を守ろう!」などとは考えていません。純粋に相手を思う気持ちが働いています。この時エゴの防衛力は働いていません。自分よりもその対象の人のことに重きを置いているからです。自分の領域を作らずに、他者に向けて自分の境界線やゲートを「開いて」いてるのです。

 この心が「開いて」いる時は、物事に対しても、偏見をもたずに素直に向き合うことができますので、事実を自分の主観で歪めることもありません。

 

 メディテーションの実践によって、こうしたエゴの働きを見通したり、すり減らすことができます。心が閉じている状態から、あらゆる物事に向けて開かれたコミュニケーションができるようになるのです。自分の主観、偏見で懲り固まった物事の捉え方が取り去られた時、思いやりもそこにあります。

 要するに、「思いやりがある」状態と「物事が偏見に染まらず、ありのままに観る」状態は連動しているのです。日頃のメディテーションの実践で、物事をありのままに見る力である「洞察力」を培っているか否かは、思いやりや優しさがどれほど機能しているかで推し量ることができるわけです。

 私が自分の先生であるデイビッドと共に時間を過ごしている時は、いつもこの開かれた優しさと思いやりを非常に強く感じます。また、ディビッドと共にメディテーション実践を半世紀近く続けてきている彼の同期のベテラン先生たちも、全く同じ柔和な雰囲気を醸し出しています。柔和さ、優しさ、開放した感じが、長年メディテーション実践を続けてる人の共通した印なのです。

 デイビッドは、よく私に「思いやりは鍛えるものだ」といいます。

 まさにその通りで、思いやりや優しさは、メディテーションの実践によって自己中心的な心の作用を見透かしてはじめて作動する力なのです。

 みなさんも「思いやり」の力鍛えてみませんか?

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河津祐貴
True Nature Meditation
Founder / Program Director