いよいよロジョンの最初のスローガンです。前回の『ロジョンについて』で書きましたが、ロジョンの59...

Slogan 1
First, train in the preliminaries.
まず、準備の修行をする


 いよいよロジョンの最初のスローガンです。

  前回の『ロジョンについて』で書きましたが、ロジョンの59のスローガンは、7つのポイントに分かれています。最初のスローガンは、ポイント1に属して、かつ、ポイント1にはこのスローガン1しかありません。ポイント2以降、スローガンが1つしかないものはありません。そういう意味で最初のスローガンは、独特の色合いを放っています。

  さて、前置きが長くなりました、スローガン1は、『まず、準備の修行をする』というものです。

 『準備の修行』とは、日々の生活の中で以下の4つのことを意識し続けることです。

(1)人の命の尊さと、ブッダダルマを聞くことができる幸運
(2)死の現実、死は突然やってくる
(3)我々の行動は、何をするにしても原因と結果の連鎖、 すなわち何をするにもカルマの連鎖に囚われている
(4)サムササラ(自分自身の習慣の的なパターン)の強さと苦しみの必然性

 少し補足すると、(1)の「ブッダダルマ」とは、こうしたロジョンのような勉強や、メディテーションをするといった、先人たちが学んできたこと、実践してきたことを指します。私たちは今、自分の人生を生き、そして心のトレーニングできる環境にある幸運を忘れないようにします。
(2)は、まさに文字通り、死は突然やってくる現実を忘れないことです。
(3)の「カルマ」とは、原因と結果が連鎖していることです。ご飯を食べない→お腹が減る。食べすぎる→太るといった原因と結果のシンプルな関係ですが、私ちの日常が何事においてもこうした原因と結果の連鎖に絡まれていることに留意します。
 そして、(4)サムサラ(輪廻)とは、私たちの心の習慣的なパターンや癖を指すものと捉えればOKです。気を抜くとすぐ私たちは、慣れ親しんだ自分の癖に埋没します。

スローガン1は、上記の4つことを、日常の中で常に意識をすることで、私たちの行動や言動、そして心が、散漫で移り気な心に流されず、心をトレーニングすることにしっかりと向き合えるようにする準備のスローガンです。

さらに、ロジョンは、日常の中で心と向き合うトレーニングであるため、自分の心の動きをしっかり洞察できなりません。そうした洞察力を得るためには、マインドフルネスをはじめ基礎的なメディテーションの訓練が必要不可欠になります。
 
  Davidが伝えるチベット仏教瞑想の学び方は、Hinayana(小乗)、Mahayana(大乗)、Vajirayana(金剛)の3つを段階的に学んでいく「ナーランダ・スタイル」と言われる方法を取ります。その中で、心を散漫さを克服するのは、マインドフルネスのトレーニングは、Hinayana(小乗)のトレーニングに位置付けられていて、誰もがまずここからはじめていきます。

そして、ロジョンは、Mahayana(大乗)のトレーニングとして位置付けられています。ですから、ロジョンを学ぶには、Hinayana(小乗)での基本的な力を持っていることが前提なのです。まずスローガン1で、こうした事前の準備をしておきなさいというインストラクションが入ります。

このように、ロジョンの実践には、メディテーション(瞑想)の基礎的なトレーニングの経験が前提となり、瞑想をしていない人には、ロジョンの実践はお勧めできません。しかし、瞑想が完璧できるというレベルになくても問題はなく、ある程度マインドフルネス・メディテーションに慣れてくれば、ロジョンに取り掛かることはできますので、マインドフルネスを覚えたて方でもぜひトライしてみてください!
 
次回のスローガン2から、ロジョンの本題に入るスローガンを紹介していきますが、まずはロジョンを始める準備体操として、今回の4つのポイントをじっくり熟考してみてください。そして、少しずつマインドフルネス・メディテーションにも馴染んでみましょう。まずは心の準備体操から始めましょう。

河津祐貴
True Nature Meditation
Founder / Program Director