読むロジョン / スローガン10
Apr 12, 2022Slogan 10
Begin the sequence of sending and taking with yourself.
送ることと受け取ることの連続を自分と始める
相対的なボーディチッタ(周りの人たち、動物たちへ向ける思いやりの心)を鍛えるポイント2の最後のスローガンがこのスローガン10です。今回のスローガンもとてもダイレクトなインストラクションで、Sending and Taking すなわちトンレンを行い続けなさいというものです。
イライラ、不安、焦燥感、疑念などなど、なんでも痛みを感じるものがあれば、全て自分で取り込んで、そうしたもの以外の心地の良さや、満足や、happyな気持ちなんでも、喜ばしいものは全部手放すこと常としていくのです。個人的な問題や個人的な喜びをしっかり感じ取って、それを活用していくことで、周りの人、そこから全ての生き物たちの痛み、苦しみ、幸福や喜びを理解していくためのスローガンです。
要は、職場でも家庭でも趣味の仲間でも、そして一人でいる時でも、何か心が揺れ動いたら、まず自分が苦るしいものを引き受けて、苦しいもの以外は全部手放して、捕まえておかないようにします。
自分が心地よくなるものや、楽しいと感じるものがあったら、それを執着せずに手放していきます。これは、心の一つの癖である、情熱(執着)を捨て去る練習をしているのです。
自分というテリトリーを作って、そこに自分の大切なもの、良いものを取り込んで、取っておきたいというエゴ(自我)の基本的なシステムと真逆のパターンを繰り返すことで、エゴのいつもの癖を減退させます。
自分がテリトリーや、何か大切なものだと思い込んでいる時、エゴが非常に効率的に作用して、しっかりクッキリ自己中心的になっています。このスローガンは、「私」を含め何かにしがみ付いているときは、全て手放しなさいと言っているわけです。自分が望ましくないものを招き入れるのは、恐怖を感じる時もあります。トンレンを行うことは、とてもとても勇気がいることです。自分よりも他者を優先する心を培うことはとても気高いものです。伝統的にはこうした心のパターン、癖を持っている人、またはそれを持てるように訓練している人を私たちの伝統ではWarrior(勇者)と呼びます。瞑想実践が「勇者の道」と言われる所以です。