読むロジョン / スローガン 44
Feb 22, 2023Slogan 44
Train in the three difficulties.
3つの困難の中で鍛える。
自分の心が混乱しているとき、例えば感情的になっていたり、偏見や先入観で満たされている時には、それに気が付き、対処することは簡単ではありません。神経症的な心の動きをクレーシャ(煩悩)と呼びますが、これを認識することも、克服することも、そして、その動きそのものを断ち切りることは非常に難しいものです。
今回のスローガンの「3つの困難」とは、この自分のクレーシャを認識する困難、克服する困難、そしてその継続性を断ち切る困難を指します。このスローガンは、こうした3つの困難に対して、それぞれしっかり対処しなさいという指示です。
まず、クレーシャが生じたら、それを認める必要があります。この自分の心の混乱を自分で認めるためには、瞑想を通じた心の安定と洞察が不可欠です。
次に、混乱が見つけられたら、それを克服する必要があります。これも簡単ではありません。心の混乱、神経症的な心の反応は、過剰な自意識、または利己主義から生まれるので、克服とはすなわち自分のエゴに対処することです。
さらに、こうした心の癖が二度と起こらないようにしっかりとした決意を持つことも大切です。私たちの利己主義的な心のパターンは、今までの人生で作り上げてきた強固な「癖」です。そのため、一度や二度、気がついてそれを手放しても、すぐにまた同じパターンに嵌ります。そうならないように強い意志を持つ必要があります。
「私!・わたし!」と自意識が過剰だと、執着、怒り、無関心、嫉妬、プライド、猜疑などのクレーシャによって、私たちの素直で優しく、開かれた心は汚染されます。この汚れに気がつき、それを綺麗にするのが瞑想やロジョンのトレーニングです。また、練習を続けていく事で、心の汚れを取るだけなく、二度と汚れないようにもなっていくのです。