Be present と Basic goodness
Apr 12, 2022年も改まり新たな気持ちで新しいプロジェクトや趣味を始める方も多いのではないでしょうか?
私も年頭にあたって今までの資料やノートを整理するなかで、デイビッドが私に指導を始めた初日のことを思い出したのでちょっとご紹介しようと思います。
もう随分昔になりますが、“Sensei”であるDavidとは師弟関係が始まる前からお互いに知った仲でもあったので、最初の個人指導が始まる際は緊張半分、照れ臭さ半分の気持ちから講義が始まったことを今でも覚えています。クラスが始まるとデイビッド “センセイ” は私にまず最初に紙とペンをもってこさせてある2つの言葉を書くように言いました。
その言葉は、
”Basic goodness!” (基本的な善良さ)
“Be present! “ ( 今ここ!)
でした。
そしてこの言葉を書いた紙を自分の書斎やリビング、はてはお風呂やトイレなど至る所に貼り付けるように言われました。「それくらいこの言葉を心に止めておくようにしなさい!この言葉の意味を身をもって理解するのが最初の10年のトレーニングだ!」というのがセンセイの最初の教えでした。
最初はなんのことやら?正気か??と思ったものですが、長い間のプラクティスを通じて、この2つの言葉がいかに重要性がやっとすこしわかるようになってきた今日この頃です。
Basic goodnessとは、「基本的な善良さ」と訳されたりしています。そもそもこの日本語自体が意味不明?かもしれません。。。ちょっと言葉で捉えるのが難しいものです。
大先生のチャギャム・トゥルンパ・リンポチェの言葉を借りると、
『人間には必要なあやゆる機能が備わっていて、自分の世界と戦う必要がないということ。私たちの存在は、非難や不公平の根本的な原因にはならないがゆえに良いものだということだ。』
となります。
なかなか頭で捉えるのが難しいものではあるのですが、メディテーションのプラクティスを通じて、あらゆる先入観や自分の固定概念を持たずに自分の存在に触れる感覚を得ると、自然にわかるというか感じ取れるものです。
そしてもう一つの大切な言葉、Be present! (今ここ)
これはマインドフルネスに興味があるみなさんは聞き慣れた言葉かもしれませんね。
“今ここ”をつねに意識して生活をすることです。要するにマインドフルな生活をきちんと送れる力を養うことです。
私がメディテーションのトレーニングを進めてくなか、最初の頃は実感として捉えられなかったこの2つのテーマですが、今ではなくてはならないものだと実感できるようになりました。
さらに、学べば学ぶほどこの2つをしっかり理解しない限り、メディテーションのプラクティが先に進むことができないものであることも(やっと!)見えてきました。
デイビッド”センセイ“がなぜトイレに紙を貼りなさい!くらい強調したのか?ということが納得です。
10年ひと昔と言いますが、最初は全く意味不明だった言葉であったこのBasic goodnessとbe presentですが、今では私が生徒の皆さんに常に繰り返し伝えてる言葉になっています。
メディテーションを伝えることは『おばあちゃんのレシピ』を受け渡すようなものだとデイビッドは良く言うのですが、まさにこの2つを学ぶことは秘伝の隠し味を伝えてるようなものかもしれません。
今に意識を置き、ありのままに物事を捉える。文字にすると短く簡単ですが、、、
日々の生活の中でちょっと思い出してみてください。メディテーションをするしないに関わらず、この意識が生活のみずみずしいものに変えてくれます。