瞑想は眠くなる?

マインドフルネス瞑想 眠気 瞑想 Jul 16, 2024

瞑想中に眠くなることがあります。多くの生徒の皆さんは、瞑想中に寝てしまうことをダメなこと、悪いことだと思ってしまう傾向があります。しかし、瞑想中の眠気は特に問題ありません。単なるエネルギーレベルの話なので、気にせず放っておけばいいのです。瞑想中に眠くなる原因もいくつかありますので、今回はこれについて少し詳しく紹介してみようと思います。瞑想で寝てしまうことに悩んでいる方のヒントになればと思います。

眠気の原因

1. 睡眠不足や過労が原因の場合

睡眠不足だと、座った途端に寝てしまいます。この場合は、瞑想よりまず睡眠を優先しましょう。瞑想は「自分と友達になる」練習です。エゴの阻害要因を排除し、自分を大切に扱うことができるように心をトレーニングします。睡眠不足や過労で無理やり座ることは、自分と友達になることからかけ離れています。まずは体をケアして大切に扱うことが優先です。

2. 頭が忙しすぎる場合

過労や消耗していなくても、毎日が忙しくスピーディに過ごしている人が瞑想を始めると、眠気に誘われることがあります。体は静止しているのに、頭の中や心は依然として忙しく動き回っている状態です。この体と心のアンバランスが眠気の原因です。この場合、うつらうつらと眠ってしまっても、目が覚めたら意識を呼吸に戻すことを繰り返すと、徐々に眠気が去っていきます。

3. 姿勢や呼吸を「考えて」いる時

瞑想は姿勢や呼吸を「感じる」ことが重要です。しかし、瞑想を始めて間もない頃はこれが簡単ではありません。呼吸を意識するあまり、自分が呼吸を実況中継していたり、姿勢を意識しすぎて体のイメージを強く作ってしまうことがあります。これらはサイコソマティックボディ(psychosomatic body)と呼ばれる心がイメージした体と呼吸であり、実際の体や呼吸を感じていません。この場合、しっかりとリアルな体を直接感じるように練習を続けることで、この感覚は徐々に薄れます。

4. 視覚に捉われすぎている時

瞑想中に視覚に意識を向けすぎると、視覚が鈍くなり、視界が灰色になり、眠りに落ちてしまうことがあります。この場合、視界を広く大きく保つように心がけると眠気が切れていきます。また、視覚に限らず五感全てにおいても、特定の知覚に意識を寄せすぎず、全体を意識することが肝要です。

5. 集中的な練習の後

リトリートなどで集中的な瞑想の練習をして、日常に戻った直後などは、緊張感が薄くなり、練習がなおざりになって眠気を誘う場合もあります。ベテランの瞑想家でも寝てしまうことは珍しくありません。

眠気の対処法

このようにさまざまな理由がありますが、瞑想中の眠気に対抗するには、「姿勢」と「呼吸」との向き合いが基本です。姿勢よく座って呼吸をするとき、特に吐く息に意識を乗せます。吐く息が外に吐き出されると、体の前面だけでなく、体の後方の空間も感じることができます。息を吐くと空間に包まれる感覚が生じ、この空間が一面に広がっている感覚がとても重要です。

呼吸に集中したり、思いや五感の刺激に気を取られているとき、この広がりは失われてしまいます。なぜ眠りに落ちるのかというポイントもここにあります。体の感覚や知覚が強すぎたり、思いにとらわれすぎていると眠気に襲われます。また、真面目に瞑想をしようとしすぎたり、物事を規則正しくやろうという意識が強すぎても同様です。こうした眠気がやってきたとき、それを問題視してなんとかしようと悪戦苦闘するとさらに眠くなります。ただ単純に良い姿勢に戻って息を吐き出すだけでいいのです。

眠気と友達になる

瞑想中はさまざまな原因で眠くなります。繰り返しますが、瞑想中の眠気は特段悪いものではありません。眠ってしまうことは瞑想中に起こる自然な反応ですので、罪悪感を感じたり、瞑想ができていないと不安になることはありません。起きたら姿勢を正し、呼吸に戻れば全く問題がないことをぜひ覚えておいてください。瞑想中の眠気は打倒すべき敵ではありません。うまく付き合うと自然にいなくなりますよ。

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