読むロジョン / スローガン1

ロジョン Apr 12, 2022
読むロジョン / スローガン1

Slogan 1
First, train in the preliminaries.
まず、準備訓練をする。


 いよいよロジョンの最初のスローガンです。

  前回の『ロジョンについて』で書きましたが、ロジョンの59のスローガンは、7つのポイントに分かれています。最初のスローガンは、ポイント1に属して、かつ、ポイント1にはこのスローガン1しかありません。ポイント2以降、スローガンが1つしかないものはありません。そういう意味で最初のスローガンは、独特の色合いを放っています。

  さて、前置きが長くなりましたが、スローガン1は『まず、準備の訓練をする』というものです。

 『準備の訓練』とは、日々の生活の中で以下の4つのことを意識し続けることです。

(1)人の命の尊さと、ブッダダルマを学べる幸運。
(2)死の現実、死は突然やってくる。
(3)我々の行動は、何をするにしても原因と結果の連鎖、すなわち何をするにもカルマの連鎖に囚われている。
(4)サンサーラ(自分自身の習慣の的なパターン)の強さと苦しみの必然性。

 少し補足すると、

 (1)の「ブッダダルマ」とは、直接的にはブッダの残した教えですが、それにだけではなく、ロジョンのような勉強や、メディテーションなどを実践してきた先人たちが学んできたことも指します。私たちは今この瞬間、健康で安全な自分の人生を生き、心のトレーニングできる環境にある幸運を忘れないようにします。

 (2)は、まさに文字通り、死は突然やってくる現実を忘れないことです。

 (3)の「カルマ」とは、原因と結果が連鎖していることです。ご飯を食べない→お腹が減る。食べすぎる→太るといった原因と結果のシンプルな関係ですが、私ちの日常が何事においてもこうした原因と結果の連鎖に絡まれていることに留意します。
 
 (4)サンサーラとは、私たちの心の習慣的なパターンや癖を指すものと捉えればOKです。気を抜くとすぐ私たちは、慣れ親しんだ自分の心の癖に埋没します。

 スローガン1は、上記の4つことを日常の中で常に意識をすることで、私たちの行動や言動、そして心が、散漫で移り気な心に流されず、心をトレーニングすることにしっかりと向き合えるようにする準備のスローガンです。

 ロジョンは、日常の中で心と向き合うトレーニングであるため、自分の心の動きをしっかり洞察できなりません。そうした洞察力を得るためには、マインドフルネスをはじめ基礎的な瞑想の訓練が必要不可欠になります。そのため瞑想をしていない人には、ロジョンの実践はお勧めできません。

 しかし、瞑想が完璧できるというレベルになくても問題はなく、ある程度マインドフルネス瞑想に慣れてくれば、ロジョンに取り掛かることはできます。マインドフルネスを覚えたて方でもぜひトライしてみてください!


 次回のスローガン2から、ロジョンの本題に入るスローガンを紹介していきますが、まずはロジョンを始める準備体操として、今回の4つのポイントをじっくり熟考してみてください。そして、少しずつマインドフルネス瞑想にも馴染んでみましょう。まずは心の準備体操から始めましょう。

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